NOH & EXPERIMENT 2025ー能と音、交差する現在地
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- 2025.09.30

大正時代以降能の演目が途絶え、長江・熱串彦神社(ながえ・あつくしひこじんじゃ)の能舞台は長らく眠っていました。
約100年の時を経てよみがえる佐渡の「能」
世界遺産にも登録された佐渡島には、日本の能舞台のおよそ3分の1が現存します。その中でも、約100年もの間、人々の記憶から忘れ去られていた場所があります。それが、大正時代を最後に能公演が途絶えていた熱串彦(あつくしひこ)神社能舞台です。
今回、さどの島銀河芸術祭2025では、この歴史ある舞台を現代に蘇らせる特別なイベントを開催します。
過去と未来が交差する一日限りの体験
本イベントでは、地元に根差した能楽師による能公演が約100年の時を経て蘇演されます。
それに加えて、能舞台を舞台に、エレクトロニクス、ラップトップ、電子ピアノ、ギター、笛など様々な楽器や、佐渡産の竹で作られた創作楽器を使い、独自の世界観を創り出す現代音楽のアーティスト8組によるライブパフォーマンスが繰り広げられます。能公演とシンポジウムの後、オープニングには、佐渡での出会いをきっかけに尺八と電子音楽を融合させた親子デュオ「福島麗秋山 + 福島諭」もゲストとして登場します。
能楽の荘厳な空間と、現代音楽の静謐な響きが交差するこの特別な日は、観る人すべての五感を研ぎ澄まし、他では味わえない唯一無二の体験となるでしょう。
より深く、佐渡の音楽と文化に触れる
このイベントは、2025年の佐渡の音楽と人々を記録したLPレコード作品『Sound Surrounding On Sado』の発表記念公演でもあり、当日は会場で先行発売を予定しています。
また、能楽や現代音楽について深く掘り下げるシンポジウムも開催します。佐渡島で能楽が発展することになったのはなぜか?現代における能楽の役割とは何か?美術評論家や能楽師、音楽ディレクターたちがそれぞれの専門分野を通じた話を展開し、来場者とともに導き出します。
会場では、佐渡ならではの絶品フードとドリンクの出店も予定しています。
伝統と革新が融合し、2025年現在の佐渡を体感できるこの特別な機会を、ぜひお見逃しなく!
-------- 10:30〜11:30 能楽特別公演 --------
演目:能「猩々 (しょうじょう)」
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宝生流「樂謠游舞の会」 祝忠生 | 宝生流師範/樂謠游舞の会 主宰。新潟県佐渡市在住。2008年に「樂謠游舞の会」を設立し、現在は佐渡で約20名の弟子を指導している。会では謡と舞の稽古に励むとともに、年に一度の発表会を開催し、成果を披露する機会を設けている。また島内で行われる薪能などの能楽行事にも積極的に参加し、地域に根ざした活動を展開。能は伝統芸能にとどまらず人の心を映す鏡であるとの信念のもと、技芸の継承と精神の豊かさを次世代へとつないでいる。 links:樂謠游舞の会 |
-------- 12:00〜13:00 さどの島銀河芸術祭2025シンポジウム --------
テーマ:「能・幽⽞・アンビエント:佐渡の⾵⼟と響きあう時間」 (NOH - YUGEN - AMBIENT: Time and Resonance with Sado's Culture and Climate)(仮)
Sound Surrounding On Sado + ライナーノーツ:椹木野衣 + カバー写真:梶井照陰
登壇者(敬称略):
・椹⽊野⾐(多摩美術⼤学教授 / アートとデザインの⼈類学研究所所員 / さどの島銀河芸術祭アドバイザー)
Links:多摩美術⼤学アートとデザインの⼈類学研究所
・祝 忠⽣(宝⽣流師範 / 樂謠游舞の会 主宰)
Links:樂謠游舞の会
・星野真⼈(Experimental Rooms 主宰)
Links:Experimental Rooms
・吉⽥盛之(⼀般社団法⼈ 佐渡国際芸術推進機構 代表理事/ 美術家)
Links:⼀般社団法⼈ 佐渡国際芸術推進機構MORITO YOSHIDA
-------- 13:30〜17:30 ライヴ・パフォーマンス --------
本イベントは2025年の佐渡の音楽と人々を記録したLPレコード作品『Sound Surrounding On Sado』の発表記念公演でもあり、当日は先行発売を行います。会場内では佐渡ならではの絶品フードの出店も予定しています。
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住吉佑太 | 鼓童音楽監督。小学2年生より和太鼓を始める。2010年研修所入所、2013年よりメンバー。舞台では主に太鼓、笛を担当。また、「結」、「巡」、「歩」など、舞台の要となる数々の楽曲を生み出す鼓童のサウンドメーカー。2018年「巡 -MEGURU-」、鼓童浅草公演『歩』(2021年)、「山踏み」(2024年)を演出。2022年「ミチカケ」では音楽監督を担当。また音源製作にも積極的に取り組むほか、中込健太との「ケンタタクユウタタク」、「iiiZØ(MIZOU)」でも活動。鼓童発の実験音楽レーベル「0on(ぜろおん)」を主宰。太鼓音楽のみならず実験音楽やサウンドアートにも興味を持ち、新たな音楽表現の形を模索しつづける、鼓童の舞台のこれからを創りだすキーパーソンの一人である。2021年、香川県文化芸術新人賞を受賞。 links: |
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前田順康 | 2016年より鼓童に参加。演奏のほか、作曲や舞台演出、構成も担当。佐渡で開催される、新しい地球文化を創造する祭典「アースセレブレーション」においては、2022年より舞台演出を担当。 2023年には音楽家の蓮沼執太、角銅真実両氏と、そして、2024年はウガンダより初来日となるNAKIBEMBE EMBAIRE GROUPとのコラボレーションを作り上げ、ジャンル、国境を越えた新たなクリエイションを実現している。お囃子から環境音、ノイズミュージックまで、幅広いリスニングで鼓童の新たな音楽表現を開拓。 links: |
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サドラム | 佐渡島を拠点とする竹太鼓集団。佐渡産の孟宗竹を伐採から自作楽器の制作まで自ら行い、演奏に使用している。これまでに『Sadrum Live in Itary』(2008年)、『竹の心』(2011年)の2作品のCDをリリース。また、島内外の様々な地で演奏活動が行われ、竹ならではの柔らかな音色と独創的なグルーヴで高い評価を集めている。 links: |
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プランタール | 作曲家、佐藤望によるソロプロジェクトである”plantar”は、自然との調和を根幹に、人間と動植物の境界を曖昧にする活動である。幼い頃から聖歌隊で培われたポリフォニックな和声感と数学的な秩序により構成される楽曲は、葉脈やセミの羽のような自然の中の幾何学を彷彿とさせる。これらの音楽は、手つかずの文化が残る佐渡島から発信される。 links: |
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シャルル・ムンカ | フランス南東部・リヨン生まれ。佐渡島を拠点に、東京、香港、ソウル、チューリッヒ、ロサンゼルス等、国内外で精力的に作品を発表。 絵画、ドローイング、コラージュなどのメディアを横断した独特のスタイルで、抽象表現主義から日本の漫画まで、幅広い影響を受けながら、イメージの流用に関わる大衆文化の美学の追求を続ける。ムンカの作品は、近接と距離の間にある限界の空間、自分の居場所であると同時に居場所でない場所の儚い感覚を探求し、常に重ねられ、再発明され、再浮上するアイデンティティの物語を語る。 ムンカの作品は、デ・ドライヴの理論にインスパイアされている。様々な風景の中を無計画に旅することで、見落とされたものや儚いものの美学が無意識のうちに体験へと導かれる。 この場合、最終的な体験は作品であり、作家の旅や日々の通勤で収集した情報の現れである。ムンカの絵画の活気に満ちた、情報が飽和した断片は、ポストモダンのアジアの風景の驚きと混沌を暗示し、テクスチャー、痕跡、シンボルの並置は、ムンカが主人公である叙事詩の中で融合する。 links: |
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吉田盛之 | 新潟県佐渡島生まれ。美術家/プロデューサー。90年代に東京で活動を開始し、米国、沖縄での拠点を経て、現在は佐渡島を拠点に活動している。1995年以来、ライブパフォーマンスで短波やAM・FMラジオを「楽器」として駆使し、リアルタイムで受信する電波と自身の信号をミックスする「交信演奏」を展開している。ルーツである佐渡島で「さどの島銀河芸術祭」を創設。ファウンダー兼統括プロデューサーとして、企画から運営、国内外アーティストやアート機関との連携、地域との協働を主導している。 links: |
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青木孝太 | 1985年2月11日佐渡生まれ。2014年-2018年頃まで東京と神奈川を拠点に実験音楽の録音、ライブハウスなどで演奏を試みる。現在新潟県佐渡を拠点に移し絵画や音楽など創作活動を続けている。 links: |
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福西みゆき | 1991年よりアコースティックユニット「ぼんとらぼるし」、エレキバンド「パプリカンズ」メンバーとしてライブ活動を行い、作曲、歌、ベースなどを担当。渋谷アピア、吉祥寺マンダラ2、高円寺稲生座、高円寺ペンギンカフェ、吉祥寺スター・パインズ・カフェなど都内各所でライブを行う。2009年、群馬県前橋市に移住。パソコンの音楽ソフトを使った作曲にシフトする。2020年、「アーツ前橋滞在制作事業2019」招聘アーティスト、キム・ジェミニ(韓国)による「Factory Run Project」の音楽を担当。2021年、DVD『前橋空襲の記憶-あたご歴史資料館からのメッセージ』(上州文化ラボ制作)の音楽を担当。 2022年、キム・ジェミニと共に『KASHIMA 2021 BEPPU ARTIST IN RESIDENCE』に参加。2022年、佐渡に移住。 links: |
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椎名智代 | 茨城県出身。2018年佐渡へ移住。2019年より園芸店Siltを運営。 links: |
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折原奈帆 | 1989年新潟県新発田市生まれ。2015年〜佐渡島在住、tomoyo shiinaと一緒に「佐渡島レコードの会」を主宰。 links: |
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ユカ(ザ・フグ・プラン?) | 佐渡島で生まれ育ち、NYと佐渡を行き来しながら色々な国で島風を取り入れた音楽を通して色々な活動をしているyuka(ボーカル・ウクレレ)と“演奏するため“に生まれてきたNY出身のShanir Blumenkranz(プロデューサー/ベース・ウッド・ギンブリ)のデュオ。演奏する国によって他メンバーも加わり毎回ガラリと色が変わる。 |
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福島麗秋山 | 1948年生まれ。群馬県出身。新潟大学人文学部(法)卒。教職の道を進む。1994年、新潟県教員として佐渡勤務の折、村松流尺八に出会う。1998年師範(逸遊)を取得。2000年に都山流尺八に入門し、2006年準師範(麗秋)を取得する。2007年より息子である作曲家の諭とPCと尺八の共演をスタートさせ、限りなく広がる音響の未知の世界を追い求めている。2022年には岐阜県美術館でのイベント「エレクトロニック・ラーガのための室内楽」において、尺八による演奏および即興を行った。都山流師範。
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福島諭 | 1977年生まれ。新潟県出身。作曲家。情報科学芸術大学院大学[IAMAS] 修了。現在、産業文化研究センター[RCIC]研究員。コンピュータのリアルタイム処理を援用した室内楽曲の作曲/発表を軸に、創作における他者との共創的なあり方、広義の即興性について研究を進める。コンピューターを介在させた独自のセッションを試みるMimizのメンバー。濱地潤一との共同作曲による室内楽作品《変容の対象》を2009年から継続中。2020年以降は、共同制作のあり方を音楽以外の表現へ拡張している。2016年CD「福島諭:室内楽2011-2015」(G.F.G.S.レーベル)、福島麗秋+福島諭名義によるLP「Inter-Others」(Experimental Rooms、2024年)など。日本電子音楽協会副会長(2024年度-)。作曲を三輪眞弘に師事。主な賞歴として、2014 第十八回文化庁メディア芸術祭アート部門 優秀賞、2017 「坂本龍一|設置音楽コンテスト」佳作など。
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キッチンカー&フード&ドリンク
まめやハロン、ラ・パゴッド(LA PAGODE)、焼とりやじま( Yakitori Yajima)
鬼カフェ(おに山車)
参加申し込み方法
① TAACHI(佐渡市両津夷53−1)にてチケットを購入
② Art Sticker でオンラインチケットを購入(一般 / 佐渡島民割)
https://artsticker.app/events/93458
③ アソビュー!でオンラインチケットを購入 (一般のみ)
https://www.asoview.com/channel/ticket/oHiEGI3IKa/ticket0000043868/
イベント詳細
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日程:2025.11.02(日)開場10:00/開演10:30
(終演17:30予定)
<能公演> 10:30-11:30
<シンポジウム> 12:00-13:00
<ライヴ・パフォーマンス> 13:30-17:30 -
会場:長江熱串彦神社能舞台
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参加費:入場料
一般・高校生5,000円
佐渡島民割(一般高校生)3,000円
中学生以下無料
参加申し込み
会場・アクセス
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所在地:マップは駐車場位置:バス停「長江入口」付近
会場:熱串彦神社能舞台(新潟県佐渡市長江854) -
アクセス:お車、自転車、バイクでご来場の方は、所定の駐車場に駐車していただき、徒歩で会場(徒歩約10分)までお越しください。
会場までの農道は自動車類での通行は不可です。
最寄りのバス停は、「長江入口」(徒歩約10分)です。












