作品・作家Artist

22.DOMMUNE Presents 「LANDSCAPE MUZAK」PROJECT SADO#1 テリー・ライリー 「Wakarimasen」

テリー・ライリー(アメリカ) / DOMMUNE(日本)

2021「Wakarimasen」

今年の芸術祭の開催あたって、私の佐渡への想いを表すモニュメントの制作を依頼され、大変光栄に思っています。 考えたのは、何世代にもわたり残るもの、 そして現代の技術の制約を受けずに存続するものを作ることでした。 私が最初に覚えた日本語のひとつが「わかりません」でした。すぐにこの言葉を使い、メロディーを作りました。 大地から2本の腕が出ているモニュメントを作るアイデアを思いつきました。その両手にチャイムをぶら下げ、このメロディに合わせてチューニングすることを思いつきました。 これで、私が日本で作った音楽を表現するための、永続的なモニュメントとなります。 モニュメントの高さは3メートルで、2メートルの腕は1メートルの台座の上に乗っています。 このモニュメントを訪れた人は、モニュメントの近くに用意されている木製のバチでチャイムを叩き、メロディーを奏でることができます。 旋律の順序は、左腕の親指からはじまり、右腕の親指側で終わります。 ですが、どのように叩くかは鑑賞者の自由です。 チャイムの素材は、ステンレススチールか、それと同じような響きがする金属を想定しています。

作品詳細

  • 作品番号:23

  • 制作年:2021年

  • 公開期間:8月11日(日)〜11月10日(日)火・水定休※祝日除く

  • 鑑賞料金:無料

会場・アクセス

  • 所在地:佐渡市役所 相川支所駐車場
  • 開館時間:日中
  • 休館日:なし
  • 駐車場:佐渡市役所相川支所駐車場

テリー・ライリーTerry Riley

作曲家/演奏家としてのテリー・ライリーは、1950年代後半にサンフランシスコ・ベイエリアで活動を開始して以来、60年以上にわたって活動しており、現在は日本を拠点に活動を続けています。 ラ・モンテ・ヤングとともに音楽におけるミニマリズムの創始者と言われています。1964年に発表された「IN C」は、それまでの主流であったモダニズムに代わるものを求めていた若い作曲家たちに影響を与え、音楽の反復的なスタイルを確立しました。「IN C」と「A Rainbow in Curved Air」のなどの初期の録音はジャズ、サイケデリック、ロック、クラシックのファンの間で人気を博し、ジャンルの垣根を打ち破る作品となっています。 クラシック・アンサンブル、ソロ・ギター、ギター・デュオ、ソロ・ピアノ、連弾、ピアノ四重奏、ヴァイオリンとパーカッション、弦楽三重奏、弦楽四重奏、チェロ八重奏、サックス四重奏、弦楽四重奏とシンセサイザー、サックス四重奏とシンセサイザー、アカペラ混声合唱、アコーディオンとハープの児童合唱、トイピアノの児童合唱団、金管楽器とパーカッション、管弦六重奏など、さまざまな形式で作曲しています。 また、オーケストラのための作品、バイオリン協奏曲、エレクトリック・バイオリン協奏曲、バイオリンと2本のギターとハープのための協奏曲、エレクトロ・アコースティック・アンサンブルのためのピアノ協奏曲、オルガン協奏曲などを作曲している。さらには、クロノス・クァルテットのために24曲以上の作品を書き、その中にはクリーヴランド管弦楽団との共演で間もなくリリースされる弦楽四重奏のための協奏曲もあります。加えて、4本の映画音楽も担当してきました。 ジャズでは、ドン・チェリー、チェット・ベイカー、ジョン・ゾーン、ロックでは、ジョン・ケイル、デヴィッド・アレン、エレクトロニック・デュオのマトモスなどの著名なミュージシャンと共演しています。 西洋クラシックの世界では、レナード・スラットキン、ジョン・アダムス、キャメロン・カーペンター、ジャンカルロ・ゲレロ、トレイシー・シルバーマン、クリスタ・フィニーなどと共演しています。 また、息子であるギタリスト/作曲家のギャン・ライリーとは、何十回ものコンサートを行っています。最近では、フランソワ・ジラールの映画『オシュラガ』の音楽を2人で担当しました。 最も注目すべきは、1960年にカリフォルニア大学バークレー校で初めて出会ったラ・モンテ・ヤングとの生涯にわたる関係です。テリーは、60年代半ばにニューヨークでラ・モンテが率いたシアター・オブ・エターナル・ミュージックのメンバーの1人です。時を同じく、二人はインドの伝説的なボーカリスト、パンディット・プラン・ナスの弟子にもなっています。 彼は、ニューヨークのカーネギーホール、ザ・タウンホール、リンカーン・センター、ロンドンのクイーン・エリザベス・ホール、ムンバイのナショナルセンター、アムステルダムのコンセルトヘボウ、パリのサル・プレイエルなど、世界の有数のコンサートホールで演奏を行なっています。

DOMMUNE

現代日本のアートシーンの中でも異彩を放つ宇川直宏が、ソーソャルストリームの時代を見据えた新たな文化の発信拠点として、2010年に開局させた日本初のライブストリーミングスタジオ『DOMMUNE』。SNSの夜明けと言われた時代に「ファイナルメディア」として忽然として現れ、百花繚乱のライブストリーミング番組の中でも、圧倒的な番組の質とビューワー数を誇り、開局以来、世界各国から様々なゲストが来日のたびに出演する唯一無二の文化プラットフォームとして存在し続けている。あのロンドンを拠点とするミュージックチャンネルBOILER ROOMにも影響を与え、BOILER ROOM TOKYOの日本支局もDOMMUNEが担当している。このように『DOMMUNE』は現在世界に溢れているサウンド&アートストリーミング、また、カルチャーストリーミングのほとんど全ての雛形を作ったと言っても過言ではない。現在まで14年間にわたって配信した番組は約5000番組 / 約1万時間 / 300テラ、トータル視聴者数二億を超え、従来の「放送」や「出版」そして「広告」という概念やそのフォーマットが破綻していく現代において、ライブにおける動画配信の実験を重ね、新たな視覚コミュニケーションの可能性を日夜革新的に炙り出し続けている。2021年、芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。
https://www.dommune.com/

DOMMUNE Presents「LANDSCAPE MUZAK」

2010年3月に開局し日本におけるライヴストリーミングチャンネルの始祖と語られるDOMMUNEは、開局以来14年間にわたり、トーク&ライブを全世界に発信し続けるインターネットストリーミング局です。首謀者である宇川直宏は、スタジオで日々産み出される番組の撮影行為、配信行為、記録行為を、自らの“現在美術”作品と位置づけています。そんなDOMMUNEによる最新プロジェクト「LANDSCAPE MUZAK」は、世界中の音楽家の方々と日本の秘境や聖地を共に探索し、心に響いた集落でライヴを行い、そのロードムービーを番組化していくシリーズです。また、その世界観をコラボアーティストと共に視覚化し、各地域に作品をインストールしていくプロジェクト。後に世界遺産となった佐渡金山に捧ぐ、北沢浮遊選鉱場跡でのコロナ禍におけるライヴが世界的に話題となったコラボレーション第一弾のテリー・ライリー氏に次ぎ、第二弾は77年の「トラック野郎」時代から新潟〜佐渡に縁ある八代亜紀氏の「舟唄」を、県内有数のスルメイカの水揚げ量をほこる姫津漁港と接続。そして第三弾は、能が暮らしの中に溶け込んだ佐渡島の能舞台を<音響装置>として捉え、灰野敬二氏を迎えて「虚能」という表現の原点に立ち返る全く新しい能楽に取り組みます。「LANDSCAPE MUZAK」はソーシャルストリーミングを駆使したSNS時代のアースワークであり、サイト・スペシフィックなポスト・エキゾチカ・プロジェクトなのです。