作品・作家Artist

15.北一輝展

北一輝 × 宇川直宏 Generative AI Directed by UKAWA NAOHIRO with REALROCKDESIGN(日本)

北一輝 × 宇川直宏「佐渡中学生諸君に与う」THE MOVIE
Generative AI Directed by UKAWA NAOHIRO with REALROCKDESIGN(日本)

北一輝は、佐渡市両津湊生まれの、戦前の日本の思想家、社会運動家、国家社会主義者である。二・二六事件の皇道派青年将校の理論的指導者として逮捕され、軍法会議で死刑判決を受けて刑死した。 1905年、北一輝は「佐渡中学生諸君に与う」と題する、過激な革命へのオマージュの長詩を「佐渡新聞」 に発表した。一輝は1897 年、佐渡中学校に入学したが、眼病のため1900年に中退。つまりこれは、一輝が23歳の時に後輩に宛てた檄文である。私は今回、さどの島銀河芸術祭からの依頼を受け、この長詩を生成AIによってアニメーション化した!!! 私は、この一輝の激烈な詩を自らの解釈によって咀嚼し、ボコーダーを通して生身の声帯で読み上げた上、プロンプト化した。ボコーダーを通じてあえて抑揚を排除した理由は、若きアジテーターの革命詩を自ら”演じる行為"が一輝の思想から寧ろ遠ざかってしまう気がしたからだ。あの狂気的な熱さを”演じる行為”自体が一輝に対する冒涜に感じたからだ。 「プロンプトエンジニアリングは戯曲である。大規模言語モデルを演出するためのト書きである」これは私が『芥正彦責任編集 地下演劇 第7号』の表紙のアートワークを生成AIと共に入稿した際に辿り着いた回答であったが、今回のアニメ化において一輝の「詩境」にも「TEXT to IMAGE」の生成プロセスは有効であったと感じた。一輝の詩をプロンプト化し、生成AIに檄を与え、イメージを導き出す行為は、もはやアジテーションそのものであった!!!!!!! この作品は、明治の社会運動家の扇動を、令和の生身の身体が浴び、AIを焚き附けて可視化させた詩境を流離うジェネレーティヴな革命なのだ!!!!!!

作品詳細

  • 作品番号:15

  • 制作年:2024年

  • 公開期間:8月11日(日)〜11月10日(日)火・水定休※祝日除く

  • 鑑賞料金:パスポート提示または個別鑑賞料金1,000円

会場・アクセス

  • 所在地:北一輝生家(〒952-0014 新潟県佐渡市両津湊61)
  • 開館時間:8-9月:10:00〜17:00、10-11月:10:00-16:00
  • 休館日:火・水曜定休
  • 駐車場:おんでこドーム駐車場 →駐車場の位置をみる

"北一輝 × 宇川直宏 Generative AI Directed by UKAWA NAOHIRO with REALROCKDESIGN"Ikki Kita × Naohiro Ukawa

宇川直宏
現”在”美術家|DOMMUNE主宰
1968年生まれ。現“在”美術家。映像作 家、グラフィックデザイナー、VJ、文筆家、大学教授など、80年代末より、極めて多岐に渡る活動を行う全方位的アーティスト。既成のファインアートと大衆文化の枠組みを抹消し、現在の日本にあって最も自由な表現活動を行っている。1980年代末にグラフィックデザイナー/映像作家として頭角を表し、2001 年「Buzz Club: News from Japan」(MoMA PS1·ニューヨーク)、「JAM: Tokyo-London」(Barbican Art Gallery·ロンドン)に参加して以来、国内外の多くの展覧会で作品を発表。2010年には、日本初のライブストリーミングスタジオ兼チャンネル「DOMMUNE」を個人で開局。記録的なビューワー数で国内外にて話題を呼び、2011年文化庁メディア芸術祭推薦作品に選出される。宇川はDOMMUNEスタジ オで日々産み出される番組の、撮影行為、配信行為、記録行為を、自らの”現在美術作品”と位置づける。2016年アルスエレクトロニカ(オーストリア/リンツ)のトレインホールにステージ幅500Mのサテライトスタジオ「DOMMUNE LINZ!」を開設、2019年、瀬戸内国際芸術祭にてサテライトスタジオ「DOMMUNE SETOUCHI」を開設。どちらも大きな話題となった。他、これまで DOMMUNEは数々の現代美術の国際展に参加し、ロンドン、ドルトムント、ス トックホルム、パリ、ムンバイ、リンツ、福島、山口、大阪、香川、金沢、秋田、札幌、佐渡島と、全世界にサテライトスタジオをつくり、偏在(いま、ここ)と、遍在(いつでも、どこでも)の意味を同時に探求し続けている。14年間に渡って配信した番組は約7000番組/約1万5千時間/200テラを越え、トータル視聴者数2億人を超える。2019年、リニューアルした渋谷PARCO9Fにスタジオを移転。そして2020年開局10周年を経て、第二章に向けてWEB3.0以降の最前衛テクノロジーと共に未来を見据えたUPDATEを図り、ファイナルメディア『DOMMUNE』の進化形態『SUPER DOMMUNE』へと進化した。2023年練馬区立美術館で行った「宇川直宏展|FINAL MEDIA THERAPIST @DOMMUNE」は、生成AI時代の創作において一体作家は作品のどこに存在しているのか?を自らに問い、オリジナルチューニングの生成AIや、人口知能搭載のロボットアームによる空間絵画を創出し“描く”という行為の歴史的なアップデートを図り、話題となった。 2021年、第71回芸術選奨文部科学大臣賞受賞。